Sheath(シース)
Plasmaと壁や電極が接すると、その境界面には「Sheath」と呼ばれる暗い薄い層が現れる。
この層は、刀のサヤのように、電極などを取り囲むように現れるため、Sheath(さや)と呼ばれる。
壁や電極は表面が絶縁されており、そこに軽くて激しく動いている電子が多数衝突する。
すると、電子が付着して負に帯電する。
そのため、負の電子は、この近くでは反発力を受け、近づけなくなる。
一方、陽ionは引き付けられる。
結果として、壁や電極付近には電子がほとんどなく、陽ionが多い層ができる。 これが「Sheath」である。
この部分では、自由に運動する電子がほとんどないので、励起による発光もせず、暗くなる。
Plasmaの電位分布を考える。
Plasmaは電気を通す導体なので、金属と同じ様に、内部の電位は等電位である。
壁は、電子が集中していて負電位である。
Sheath部分では、Plasmaの正電位から壁部の大きな負電位に電位が大きく変化する。
正確には、Sheathの前には、pre-sheathと呼ばれる部分があり、なだらかな勾配でionを加速する。
Sheathの厚さは、「Debye長」の数倍となり、約10Paの圧力で1mm程度となる。