Plasma振動   

熱平衡状態である気体の密度分布は巨視的にみると一様だが、微視的にみると一様ではない。   
Plasma中で電荷密度分布が一致しなくなると、電気的な中性が破壊され、電子が中和する方向に移動する。  しかし、電子は微小ながら質量を持ち、慣性のために平衡状態を行き過ぎてしまい、再び中和方向に動く。   この繰り返しにより、振動が起こる。   
これを「
Plasma振動 」と呼ぶ。   

 Plasma振動 
fp(Hz)= 9.0×103 √ne        (ne:電子密度(cm−3))  

(例)電子密度1010 cm−3のPlasmaでは、Plasma周波数は898MHzとなり、マイクロ波領域である。   

Plasma周波数は、Plasma内部に発生した電界を遮蔽する時間的応答の尺度である。   
例として、電離層Plasmaに電磁波が入射する場合について考える。   
電磁波の周波数がPlasma周波数より十分高いと、電子は応答しきれない。   
そのため、電波は電離層を通過して伝播する。   
従って、Plasma周波数より十分高い周波数の電磁波を使えば、地上と人工衛星との通信が可能になる。   
逆に、Plasma周波数より周波数の低い電磁波を使えば、地上波は電離層で反射する。   
そして、地球の裏側までの遠距離通信が可能になる。
 Plasma波動
  Plasma中では、電子とionという荷電粒子が存在するため、電気的相互作用により、波が伝播する。
  縦波では、ion音波、電子Plasma波などがある。
  横波では、電磁波などがある。