非平衡プラズマの解析手法

  @流体モデル   
     プラズマを連続体として捉えて解析する手法です.計算負荷が軽いのが特徴です.
     電子のエネルギー分布がマックスウェル分布(平衡状態での分布)にあると
     仮定して解いています.
     圧力が高い場合には良いですが圧力が低い場合は電子のエネルギー分布が
     マックスウェル分布からはずれることが多いので問題となります.  
     またあらかじめ粒子の拡散係数や移動度などの多くの
     基礎物理量が入力データとして用意されていることが条件となります.
     有名なのは慶応大学の真壁先生、ヒューストン大学のEconomou先生などです


  A粒子モデル
     個々の粒子を追いかけていく手法です. といっても空間にあるすべての粒子を
     追いかけることは不可能なので一個の粒子がいくつかの粒子を代表するとしています.
     この考えを重み因子といいます.背景のガスは一様として電荷を持った粒子(電子とイオン)の
     運動を追跡します. 粒子の作る電場(静電場)をポアッソン方程式を解くことにより求め、
     粒子の運動に反映させ、相互に時間発展を解析していきます. 同時に衝突も取り扱います.
     
     計算負荷が高いですが最も現実に近いモデルです. この手法はPIC/MC法
     (Particle-in-Cell/Monte Carlo method) と呼ばれています.
     低圧下でも信頼性の高いのが特徴です. うちの研究室はこれを専門にしています.
 

  Bハイブリッドモデル  
     前述の流体モデルと粒子モデルを組み合わせたモデルです.非平衡性の高い電子の運動を
     粒子モデル、重たくてあまり動かないイオンを流体モデルで取り扱います.
     計算負荷を抑えられるので普及しています. 
     イリノイ大学のKushner先生が有名です.