インカレレース体験記 武木田 秀人
1:インカレと院試
今年でインカレは3回目。だがいつもと違っていたのはインカレの約1週間前に院試があるという事だった。当然のことながら院試の方が重要だというのは自覚していた。だが自分としてはどちらも捨てるわけにはいかなかった。インカレはあきらめて院試に集中すると言う手もあったかもしれないが,それはなんか院試に負けてしまったような気がしてイヤだったので何とか両方ともやってやろうと決心した。
学生と言うのは学業はやっていて当たり前,トライアスロンは自分が好きでやっているのだから両立するなどと大げさなことはいうべきではないことだ。でも自分にとっては今年のインカレはそれなしでは語れないのでそのことについて書いておきたいと思う。
自分が院試の勉強をはじめたのは5月の連休明けから。他の人よりはちょっと早めにはなるのだが練習もするために余裕を持てるようこの時期にはじめた。
5月〜7月 まだ授業があったため思うような勉強は出来なかったが週間の練習スケジュール
を立てメリハリを持って勉強をした。 まだ予選等もあったので練習のほうに重きをおいた。また,時間を無駄にしないように心がけた。
普段と同じぐらいの練習を確保できるように気をつけたが時間をうまく使うためにプールは朝泳げるYMCAに移って時間を有効に使うことを心がけた。
8月 授業も終わりフルタイム自分の好きなように時間がつかえるようになったのでそれ
に適応した練習スケジュ−ルを組みなおすようにした。
メリハリのある練習、勉強を心がけた。また有効な練習が出来るようになるべく追い込むときは部練を利用するようにした。また練習は絶対的に早朝から昼のみにして午後から夜にかけて勉強を連続してやると言う組み合わせにした。勉強は夜11時までにして12時までには寝て6時半に起床, 朝型の生活になるように心がけた。
主な週間の練習スケジュールは以下の通り。
月曜:7時から8時半 ローラー+Run Middle
9時から11時 SWIM Hard 部練 12時から 勉強 23時まで
火曜:7時から10時半 Duathlon 部練 10時半から12時
SWIM Jamming 個人練 13時から 勉強
水曜:7時から8時半SWIM Easy 9時から10時半 L.S.D 11時から勉強
木曜:8時から10時半 RUN 部練 ペース走 11時から12時
SWIM AT 個人練 13時から 勉強
金曜:7時から11時 LONGRIDE 部練 11時から12時
SWIM:Easy 個人練 13時から 勉強
土曜;7時から8時半: SWIM Middle
9時から10時半 Bike 青葉山インターバル 11時から 勉強
日曜:7時から8時半 SWIM:フォーミング 9時から11時半
Bike:MIDDLEペース走 12時から 勉強
その他:ストレッチ,補強の20RM体幹筋トレ,ドライランド(中大水泳部がやっている補強筋トレ)、サーキット
一様こういう計画だったがなかなかうまく行かなかった週もあった。計画を立てても思い通りにはなかなかならないものだ。そこらへんはあらかじめ考えておく必要があるだろう。幸い今年の夏はかなり涼しく練習、勉強とも集中するには最高の環境だったがいまいちパフォーマンスはあがらず逆に下がっていった。その要因としてはもちろん練習時間自体が減ったこともあったとは思うがそれ以上に疲れ(勉強と練習)が蓄積していたことがあったと思う。はじめ、自分は勉強は体の休息になるとばかり思っていたのだが確かに体自体は休んでいるものの勉強の疲れがパフォーマンスに深く関係していて実際、練習で効果を得るためには心身ともに健康な状態で無いとだめなのだと言うことを痛感した。勉強の方は予定通りに進み無事に院試にも合格。だが体のパフォーマンスは下がったままインカレを迎えることとなった。
2:レース
上に書いたようにパフォーマンスを落としてしまったためレース内容は最悪だった。
SWIMはそれほど調子は悪くなく,いいかなと思ったがタイムは悪く、順位は去年と大して変わらなかった。 Bikeにはいると足だけが苦しく全くスピードが上がらない。いくらパフォーマンスが落ちていたところで去年のように平地でドラフティングと言う展開ならばまだごまかせたかもしれないが今年のコースは10%の坂を含むごまかしの効かないコースのためひたすらつらく耐えるしかなかった。Bikeは抜きつ,抜かれつといった感じで結局それほど順位は落とさなかった。ただ上位を狙うのであれば自分のSWIM順位ならBIKEではもっと上に上がらなくてはいけなかったはずである。RUNもまた非常に心拍があがり,きつくなってしまい,いまいち順位を上げることが出来ず結局,70位でゴールした。
3:振り返って
今,思えば時間をもっとうまく使えたのではないか,もっと効果的な練習が出来たのではないかと後悔の連続だが実際そのときはそれで精一杯でありそれ以上のことが出来たかどうかは疑問である。ただ事実として残った「院試は合格,インカレは惨敗」という結果からして明らかに自分は“両立”出来ていない。だが,このことはこれからも生かされるだろうし同じ過ちを繰り返さないようにはできる。その分は得るものはあったといえる。後輩達にはちょっとはこのことを参考にしてもらって院試なんか関係ないといえるようにしてほしいものである。
振り返れば3回もインカレに出ているのにまだ満足のいく結果を残せていない。自分は今4年生なので普通の大学生ならばもうインカレとはおさらばと言うところなのであるが幸せなことにまだインカレと言う舞台であと3回(博士課程に行けばの話だが)は戦うことができる。同じ4年の早稲田の妹尾君,明治の木下君はすばらしい成績を残してインカレから今年“卒業”する。自分もぜひ自分や第3者が納得する成績を残してインカレを“卒業”したい。